フリーランスと聞くと、自由な働き方で憧れる方も多いのではないでしょうか。
私はコロナ禍をきっかけに副業を始め、そこからフリーランスとして独立して今年で4年目に入るのですが、裁量が全て自分次第だからこそ「時間管理」において沢山失敗をしてきました。
ようやく最近になって自分のペースと理想的な時間の使い方が見えてきたので、駆け出しフリーランスの頃の失敗や今まで工夫してきたことを振り返ってみようと思います。
フリーランスにとって、なぜ時間管理が難しいのか
そもそもフリーランスや個人事業主は、なぜ時間管理に苦労する人が多いのでしょうか?
フリーランスは会社員と違い、決められた労働時間がありません。
朝起きてからベッドの上でごろごろ過ごし、のんびり朝食をとってからお昼くらいにようやく仕事を始めたとしても、納期さえ守っていれば誰にも怒られません。
ある程度の自制心がなければ簡単に堕落してしまいそうにも聞こえますが、私の場合、実際にフリーランスになってみて実感したのはその"真逆"でした。というのも、仕事が忙しすぎて働きすぎてしまったのです。
駆け出しフリーランスの頃の失敗:仕事を抱えすぎる
特にフリーランスとして独立したての頃は「会社の中の1人」ではなく、「私」という個人に直接仕事の依頼がくるという経験が新鮮で、どんな仕事でも何でも引き受けていました。
フリーランスはいつ仕事が途切れてもおかしくないというリスクもあります。「稼げるときに稼げるだけ稼ごう!」という思考で、土日も惜しまず依頼が入ればずっと働いていました。
働けば働くほどに収入も増えるし、そもそもデザインの仕事自体がとても楽しいので、あっという間に時間が過ぎていきます。
そうしているうちに、仕事以外のことが考えられなくなってきたのです。
ちょっと気分転換にご飯食べに行こうとか、買い物に行っている間でも、頭の中は常に次の仕事のことでいっぱいでした。
いわゆる「セルフブラック企業」のような状態になっていたと思います。
時間の「余白」をつくるために
そんなワーカホリックのような状態が続くと、体調にも影響が出てきます。長時間働いているうちに思考力が鈍くなったり、「常に何かに追われている」ような気持ちになって焦ったり…。
特にデザインというクリエイティブな仕事をしていると、ずっとクライアントワークをしていることでアウトプットし続ける状態になり、新しいスキルやデザインのアイデアを仕入れるインプットの時間がどんどんなくなることで、アウトプットにも時間がかかってしまう…という悪循環に陥ったこともありました。燃え尽き症候群にも近かったと思います。
そんな状態になってようやく働きすぎていたことに気が付き、「時間の余白」をつくろうと決心したのです。
時間の余白…つまりスケジュールに余裕ができ、ゆっくり休んだり何もしないという時間をつくるために、私は次の4つを自分ルールとして守るようにしました。
時間を可視化する
余裕をもったスケジュールを組み、早く終わったとしても次の仕事を詰めない。
定休日をつくり、公言する
「NO(ノー)」と言う勇気と潔さを持つ
この4つを意識するようになってから、少しずつ時間管理ができるようになっただけでなく、自分の理想的な時間の使い方がわかるようになってきたのです。
1.時間を可視化する
まず第一に、時間を可視化するということが最も重要なスタートラインです。
自分がどれだけ働いているのか、何にどのくらい時間を使っているのかという内訳を可視化することから始めました。
自分がやりやすい方法で良いのですが、私の場合は最初にGoogleのスプレッドシートで簡単な表を作成し、案件名(依頼内容が分かるもの)・売上金額・作業時間を全て記録したうえで、時給単価を割り出しました。下記はその表を再現した例です。
案件名 | 売上 | 作業時間 | 時給換算 |
A社資料作成 10枚 | 100,000円 | 8h | 12,500円 |
B社図解作成1点 | 8,000円 | 2.5h | 3,200円 |
この表を作ることで、作業内容ごとの自分の時給単価が見えてきます。
半年ほど続けたところでそれぞれの平均値もわかってきたので、フリーランスが悩みがちな価格設定にも非常に役経ちました。
ここで注意したいのは、時給単価の金額だけを見ないことです。
もちろん同じ時間働くなら売上が高い方が効率よく稼いだと言えますが、経験を重ねていくことで仕事の効率もあがり、同じ案件でも徐々に時給換算が良くなっていくことがほとんどです。
また、時給単価が低い案件だったとしても、重視するのが金額面ではなく経験を積むことだった場合、自分の成長に繋がりますのでとても貴重でありがたい案件に変わりはありません。
特に私は飽き性なのもあり(笑)、同じ仕事内容(例えばパワーポイント資料作成)一筋でやっていくのは最初から頭にありませんでした。
パワーポイント資料作成から始まり、チラシ作成、図解・インフォグラフィックスのデザイン、モーショングラフィックスや動画編集・アニメーション、そして3Dデザインと現在も様々な領域にチャレンジしながら仕事をしています。
売上の目標設定を立てる
フリーランス4年目となった今、毎月の売上ノルマも自分で設定しています。
時給単価が比較的高い仕事は生活していくための収入源とし、ノルマ達成のための6-7割程度はその収入源で確保できるように。
時給換算するとメインの収入とまではいかないものの、経験値を稼げる仕事を残り3-4割にあてるようなバランスにすることで、売上金額と経験値を着実に重ねていくことができるようになりました。
また、月の早い段階で売上ノルマの達成見込みが立てられれば、月の後半はゆっくりスキルアップの時間をとって仕事のペースを抑えても大丈夫だな…という余裕を持つことができます。
仕事以外の時間も!1日のスケジュールを可視化する
作業時間の他に、仕事以外の時間も可視化することが重要です。
これは昨年頃から始めたのですが、スマホのストップウォッチで次の項目を全て記録するようになりました。
働いた時間(クライアントワーク)
働いた時間(クライアントワーク以外)
経理関係に割いた時間
スキルアップのために勉強したり自主制作の時間
運動した時間
● 働いた時間
働いた時間に関しては、クライアントワークとは別に自分のビジネスのために働いた時間を分けて記録しています。
例えばこういったブログの更新、ポートフォリオの更新のための作業時間、競合他社のリサーチなど…クライアントワークのように収入に直結する稼働ではありませんが、フリーランスにとってこの自分のために働いた時間をいかに確保できるか?はとても重要なカギだと感じています。
最近はストック収入にも挑戦しているので、ストックサイトに投稿する用の作品作りなどもこの項目で記録しています。
● 経理関係
フリーランスである以上、経理関係も自分でやらなければいけません。
私は税理士さんにお任せしていますが、数ヶ月おきに請求書などをまとめて提出したり、見積書・請求書は全て自分で毎回作成しているので、意外と時間がかかっていたりします。
(ちなみに会計ソフトはMisocaとXEROを使っています)
Adobeや素材サイトのサブスクも自分で管理しているので、どのくらいの金額を経費に充てているかは一個人事業主である以上常に気に留めていく必要があります。
● スキルアップ
デザイナー、クリエイターの人は自主作品を作る時間も必要不可欠です。
全てのクライアントワークが実績として公開できるわけではないので、自分のポートフォリオを更新し次の仕事に繋げていくためにも、このスキルアップと自主制作の時間はとても重きを置いています。
私の理想は、このスキルアップの時間と働いた時間が同じくらいになることです。
特に自主制作は自分の好きなものを好きなように作れるので、自由な発想とクリエイティブを探求できるかけがえのないひと時だったりします。
● 運動した時間
私の場合フルリモートで働くフリーランスのデザイナーなので、仕事中はほとんど動きません。ずっとイスの上で体育座りしています。(笑)
さすがにこのままでは不健康なので、朝仕事を始める前に5分から15分程度体を動かすように心がけています。
朝からハードな筋トレはやりたくないので、大抵はYouTubeを見ながらヨガをしてストレッチをすることが多いです。
仕事と気持ちに余裕があるときや、逆に働きづめで体の調子が悪いときは、作業開始してから3-4時間後にアラームを設定して、10分から15分程度の軽い運動をします。
このような項目で記録した時間は、スマホのアプリに入力し、グラフで見れるようにしています。
アプリは自分が使いやすいものなら何でも良いのですが、私はStudyplusという無料のアプリを使用しています。
こうやって振り返ってみると、月にもよりますが意外と週に40時間も働いていなかったんだな~とか、この週はスキルアップに時間を割けたのでストレス値が溜まってないな…と気が付けます。(そしていかに運動していないのかも…)
フリーランスの時間管理のために、まず時間を可視化することから始めてみましょう。
時間管理には「ポモドーロ・テクニック」も効果的?
時間管理で調べるとよく出てくる単語が、ポモドーロ・テクニックです。
作業時間と休憩時間を交互に繰り返すという手法で、例えば25分作業したら5分休憩する…というのを1サイクルとして、4回繰り返したら30分程度の長めの休憩をとるという"短時間の集中"を繰り返すことで、作業効率と集中力が高められるというものです。
個人的には、このポモドーロ・テクニックはクリエイター・デザイナー職の場合あまり向いていないのでは?と思っています。
私の場合、一度集中すると途中で集中が途切れることはほとんどなく、3-4時間はあっという間に過ぎていくようなタイプです。
単純なタスクや同じ作業を繰り返し行うような仕事であれば、ポモドーロ・テクニックは有効的かもしれません。
しかしデザイナーの場合、何かをデザインするとき10分でひらめくこともあれば、数時間くらいかけてやっとひらめくこともあったりします。
そのような「不規則で突発的なエネルギーの放出」タイプの人は、逆効果になり得るのです。せっかく”ゾーン”に入っている集中モードの時に、25分毎という短時間のサイクルで休憩を入れてしまうと、逆に集中が途切れてしまいますよね…。
そのため、私はポモドーロ・テクニックは使わずに、自分が集中できるときは集中し続けるというスタイルで働くのが性に合っているかなと感じています。
ただずっと座りっぱなしでは腰に負担がかかるので(笑)、途中で息抜き程度にコーヒーをいれに立ち上がったり、10分程度の運動を1日に1回は挟むように心がけています。
これは人によって感じ方が大きく異なる部分なので、自分の心地よいタイミングで息抜きを入れていくことをおすすめします。
2.余裕をもったスケジュールを組み、早く終わったとしても次の仕事を詰めない。
時間管理のためのルール2つ目は、「早く終わったとしても次の仕事を詰めない」ということです。
余裕を持ったスケジュールを組むことは当たり前ではありますが、この「次の仕事を詰めない」は未だに自分でも管理が甘いなと感じることが結構あります…。
今抱えている案件が思ったよりも早く終わったので、他の案件もとってしまおう!という時に限ってその案件が長期化したり、休む暇がなくなっていつの間にか1ヶ月ずっと働きっぱなしだった…というのはフリーランスあるあるではないでしょうか。
時間の「余白」は「余白」のままで、意識的に確保することが上手な時間管理に繋がると思います。
3.定休日を作り、公言する。
フリーランスは平日も休もうと思えば休めるので、不定休で特に決まった休みの日はないという人も少なくありません。
私も平日一日中ゲームをして日曜に働くこともありますが笑、週に1日でも「定休日」を作ることで、強制的に仕事からシャットアウトしてリフレッシュすることができます。
大事なのは、この定休日を公言することです。
一般企業との取引であれば、基本的に土日祝日は休みなので、それに合わせて自分も休むことができます。
しかし、同じフリーランス同士が集まったプロジェクトチームや案件の場合、土日祝日関係なく働いている人も珍しくありません。
フリーランス=いつでも働ける、フットワークの軽さが強みになることもありますが、自分の定休日をクライアントや同じチームのメンバーに公言しておかないと、休みの日も関係なしに仕事の連絡がきたり、稼働スケジュールを組まれてしまうことも少なくありません。
私は基本土日とニュージーランドの祝日は定休日にしているので、初めて取引するクライアントには最初に伝えるようにしています。
特に稼働時間は時差もあるので、日本時間の9時~15時という風に長期的なプロジェクトや複数人が関わる案件は最初に伝えるよう意識しています。
(ニュージーランドはサマータイムもあるので、季節によって時差も変わりちょっと厄介です)
余談ではありますが、ニュージーランド在住の場合、主に日本・オーストラリア企業との仕事は時差が少ないので打ち合わせの時間が調整しやすいです。
アメリカ・ヨーロッパの場合は時差が大きいので、相手の時間帯を毎回調べつつ、深夜早朝は避けた時間帯に連絡をとるようにしています。
4.「NO(ノー)」と言う勇気と潔さを持つ
最後のルールは「断る勇気と潔さ」と持つことです。
指名やご依頼をしていただけるというのはとてもありがたいことですし、私も出来る限り応えたいとは思っていますが、自分のスケジュールに余裕がないまま受注してしまうとパフォーマンスにも影響が及びかねません。
フリーランス、企業に関わらず、ビジネスにおいて納品物のクオリティコントロール(品質管理)にも責任を持つことは至極当たり前のことです。
クライアントから提示された納期と予算の中で、自分が最大限のパフォーマンスができるかどうか・期待されているレベルの質を提供できるかをしっかり見極めた上で、スケジュールや予算的にどうしても実現が難しいのであれば、時にはお断りするという選択肢も恐れずに持っていたいものです。
違和感を感じたら、立ち止まって冷静に考えてみよう
また、予算やスケジュールの問題だけではなく、依頼前のやりとりの中で違和感を覚えたりした時は、自分の直感を信じて潔く丁重にお断りするのも自分の身を守るために必要です。
私の場合、
明らかにテンプレートのような文で複数社に相見積もりをしているだろうなという文面
事前にテキストで詳細は告げず、やたらと打ち合わせでの相談を希望される方
はお断りすることが多いです。
というのも、口頭での打ち合わせは言った・言わないが発生するリスクもありますし、打ち合わせという時間的拘束があるのに支払いが発生しないことも多く、録画をしたとしても後から動画を見返すというのが非常に非効率的だと思うからです。
基本は前提条件・費用面などの情報は全て文面でのやり取りをさせていただき、初回の顔合わせや文字だけでは説明しづらい部分に関しては打ち合わせ、という方法をとっています。
テキストであればお互い記録として残りますし、自分の希望や考えを文字として書き起こすことで、改めて思考が整理されます。
既に何度も取引をしていて関係性がある程度築かれている相手の場合は、5-15分程度のオンライン打ち合わせをクイックにして作業を開始するという時もありますので、相手との関係性や案件内容の複雑さに合わせて柔軟に対応していくとよいでしょう。
その他、提供しているサービスの基本価格や前提条件などを記載しているのにも関わらず、そういった事前情報を読まずに相談をされてきた方や、自分が提供しているサービス価格とは大きく異なる費用感でのお見積り相談をいただくこともたまにあります。
そういった方とのやり取りは制作過程に進む前のコミュニケーションで時間がかかってしまうので、申し訳ないとは思うのですが早い段階でお断りするようにしています。
自分を守るためにも、時には「NO(ノー)」と断る勇気と潔さを持つことで、上手に時間管理をしていけるのではないでしょうか。
特に駆け出しフリーランスの場合、1件でも多く経験を積みたい!仕事をいただきたい!という気持ちが突っ走ってしまったり、もし今回断って今後二度と相談されなかったらどうしよう…という不安を感じる時もあるかもしれませんが、闇雲に仕事を引き受けたことでコミュニケーション上のトラブルが発生したり、過度なストレスを抱えて他の案件にも悪影響を及ぼしてしまっては元も子もありません。
取引先との良い関係を長期的に築いていくためにも、仕事のオファーをいただいたことには感謝をしつつ自分のキャパシティを超えそうな時は丁重にお断りをし、無理に仕事を引き受け過ぎないようにしましょう。
フリーランスの時間管理
以上がフリーランスの時間管理のために心掛けている自分ルール4つのご紹介でした。
みなさんは時間管理のために何か工夫していることや、お悩みはありますか?
ぜひお気軽にコメント・ご連絡ください:)
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